ワインショップや飲食店で「オレンジワイン」という表示を見かけて、「オレンジの果汁で造ったお酒?」「白ワインと何が違うの?」と疑問に思った方は多いと思います。

オレンジワインは、白ブドウを果皮や種ごと発酵させて造るワインです。 原料は白ワインと同じ白ブドウですが、造り方は赤ワインに近く、その結果オレンジ色に色づきます。

この記事でわかることは次の3つです。

  • オレンジワインの製法と、白・赤・ロゼとの違い
  • 渋みや香りなど、味わいの特徴が生まれる理由
  • 冷やしすぎない温度の目安と、合わせやすい料理、選ぶときの注意点

オレンジワインとは:白ブドウを「赤ワインの造り方」で仕込んだワイン

ワインの輸入・販売を行うモトックスの解説は、オレンジワインを一般的に「白ブドウを破砕し、果皮と種子を漬け込んで醗酵したオレンジ色のワイン」としています。

白ブドウを果皮や種ごと発酵させる(醸す)ことで、発酵中の液体に果皮などの成分が抽出され、オレンジ色に色づきます。名前はこの色から来ていて、果物のオレンジは使いません。

※この章の定義は モトックス「ワインのつくりかた~醸造による違い、赤・白・ロゼ・オレンジ~」 より

白・赤・ロゼとの違いを表で見る

4つのワインの違いは、「どのブドウを使うか」と「果皮をどれだけ一緒に発酵させるか」で整理できます。

種類 主な原料 果皮や種との接触 色と味の傾向
白ワイン 白ブドウ 基本的に取り除いた果汁を発酵 淡い色。酸味と果実の香りが中心
オレンジワイン 白ブドウ 果皮や種ごと発酵 オレンジ色〜琥珀色。渋みと複雑な香り
ロゼワイン 主に黒ブドウ 短い時間だけ接触 ピンク色。赤と白の中間
赤ワイン 黒ブドウ 果皮や種ごと発酵 濃い赤色。渋みがしっかり

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表で見ると、オレンジワインは「白ブドウ×赤ワインの造り方」という位置にあることが分かります。赤と白の基本的な違いは赤ワインと白ワインの違い、ロゼについてはロゼワインの選び方と楽しみ方で詳しく解説しています。

生徒
果物のオレンジの香りがするから、オレンジワインって呼ぶんですか?
先生
違うよ。名前の由来は色なんだ。白ブドウを皮ごと発酵させると、皮の成分が溶け出してオレンジ色になるんだよ。
生徒
じゃあ白ワインを長く置いておくとオレンジワインになる?
先生
それも違うね。オレンジワインかどうかは造り方で決まる。白ワインが古くなって色が濃くなるのとは別の話だよ。

ルーツはジョージアのクヴェヴリ

オレンジワインの造り方には長い歴史があります。よく知られているのが、黒海とカスピ海の間にあるジョージアの伝統的なワイン造りです。

ユネスコは2013年に、ジョージアの伝統的なクヴェヴリによるワイン造りを無形文化遺産に登録しています。ユネスコの説明によると、この製法では搾ったブドウの果汁を、果皮や果梗、種と一緒にクヴェヴリ(土の中に埋める大きな甕)へ入れて封をし、地中で5〜6か月ほど発酵させます。

※この章の内容は ユネスコ「Ancient Georgian traditional Qvevri wine-making method」 より

果皮や種を果汁と一緒に長く置くというこの考え方が、現在のオレンジワインの造り方と共通しています。いまはジョージア以外の国や、日本のワイナリーでもオレンジワインが造られています。


味わいの特徴:なぜ白ブドウなのに渋みがあるのか

オレンジワインを初めて飲んだ人がよく驚くのが、白ブドウのワインなのに渋みを感じることです。

渋みは果皮や種から来る

ワインの渋みの主な成分はタンニンで、ブドウの果皮や種などに含まれています。白ワインは果皮や種を取り除いた果汁を中心に発酵させるので、渋みはほとんど出ません。

オレンジワインは果皮や種ごと発酵させるので、白ワインにはない渋みや、ほろ苦さを感じやすくなります。渋みと酸味の基本はワインの渋み・酸味の基本で解説しています。

色の濃さと味の強さは、造り手によって大きく違う

果皮と一緒に置く期間や、ブドウの品種、熟成のさせ方によって、色も味も大きく変わります。淡いオレンジ色で軽やかなものもあれば、琥珀色で香りも渋みも強いものもあります。

「オレンジワインはこういう味」と一言では言えないので、最初の1本は、商品説明に「軽やか」「フレッシュ」などと書かれたものから試すと、苦手意識を持ちにくくなります。


飲み方:冷やしすぎないのがポイント

温度の目安は「白と赤の間」

オレンジワインは、白ワインのようにキンキンに冷やすより、少し温度を上げて飲むのが一般的です。当ブログの白ワインの適温の記事では、オレンジワインを12〜16度前後、赤に近い扱いとして紹介しています。

冷やしすぎると渋みが目立ち、香りも感じにくくなります。温度の基本的な考え方はワインの適温まるわかりガイドにまとめています。

実践しやすい温度の合わせ方

家庭で温度計を使わずに合わせるなら、次の手順が手軽です。

  1. 冷蔵庫で冷やしておく
  2. 飲む少し前に冷蔵庫から出しておく
  3. グラスに少量注いで香りと渋みを確かめる
  4. 渋みが強すぎると感じたら、グラスのまま少し置いて温度を上げる

同じ1本でも、温度が上がる途中で香りや渋みの感じ方が変わります。 その変化を少しずつ確かめるのも、オレンジワインの楽しみ方の1つです。

グラスは香りが広がりやすいものを

香りの複雑さを楽しむなら、口がすぼまりすぎない、ある程度ふくらみのあるグラスが向いています。グラスの選び方は初心者向けワイングラスの選び方を参考にしてください。


合わせやすい料理

オレンジワインは渋みと香りの厚みがあるので、白ワインでは負けてしまいそうな、味のしっかりした料理とも合わせやすいとされます。試しやすい組み合わせを挙げます。

料理のタイプ 例 合わせやすい理由
味の濃い和食 甘辛いたれの焼き物、煮物 渋みと香りが、しょうゆや甘みに負けにくい
スパイスを使った料理 カレー、エスニック料理 香りの複雑さが、スパイスとぶつかりにくい
きのこ・根菜 きのこのソテー、根菜の煮物 土っぽい香りと相性を感じやすい
発酵食品 チーズ、漬物 酸味やうま味に、ワインのほろ苦さが合う

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ただし、組み合わせの良し悪しは好みによるところが大きいです。「この料理には必ずこれ」と決めつけず、手元の料理と少しずつ合わせて試してください。料理との合わせ方の基本はワインと料理の合わせ方の基本で解説しています。


選ぶとき・保存するときの注意点

ナチュラルワインと同じ意味ではない

オレンジワインは、ナチュラルワインと一緒に紹介されることがよくあります。ただし、オレンジワインは「果皮ごと発酵させる」という造り方による分類で、ナチュラルワインは栽培や醸造での介入の少なさによる呼び方です。

両方に当てはまるワインもありますが、同じ意味ではありません。ナチュラルワインについてはナチュラルワインとはで解説しています。

澱(おり)が出ることがある

果皮や種と一緒に発酵させるワインは、瓶の底に澱が出ることがあります。澱は品質の異常ではないことが多いですが、口当たりが気になる場合は、ボトルをしばらく立てておいてから静かに注ぐと入りにくくなります。詳しくはワインの澱とはをご覧ください。

開けた後の保存

飲みきれなかった場合は、栓をして冷蔵庫で保存するのが基本です。開けた後の保存方法は開けたワインの保存方法にまとめています。


飲むときの注意(健康・適量について)

  • 20歳未満の飲酒は法律で禁止されています
  • 妊娠中・授乳中の方、服薬中の方、運転する予定がある方は飲酒を避けてください
  • ワインのアルコール度数は商品によって違います。ラベルで確認し、適量を守って楽しんでください

体質や健康状態によって、適した量は人それぞれです。気になることがある場合は、医師などの専門家に相談してください。


よくある質問

オレンジワインとは何ですか?オレンジから造るのですか?

オレンジ(果物)から造るワインではありません。白ブドウを破砕し、果皮と種を漬け込んだまま発酵させたワインで、果皮の成分が溶け出してオレンジ色に色づくことから、この名前で呼ばれています。原料は白ワインと同じ白ブドウで、造り方が赤ワインに近いのが特徴です。

オレンジワインと白ワインの違いは何ですか?

原料はどちらも白ブドウですが、発酵のさせ方が違います。白ワインは果皮や種を取り除いた果汁を中心に発酵させるのに対し、オレンジワインは果皮や種ごと発酵させます。その結果、色が濃くなり、果皮や種に由来する渋みや複雑な香りを感じやすくなります。

オレンジワインは冷やして飲むのですか?

冷やしすぎないのが一般的です。当ブログの白ワインの適温の記事では、オレンジワインを12〜16度前後の赤に近い扱いとして紹介しています。冷蔵庫から出してすぐだと渋みが立ち、香りも閉じやすいので、グラスに注いで少し置き、温度が上がる途中の変化を確かめると好みの温度が見つかります。

オレンジワインに合う料理は何ですか?

渋みと香りの厚みがあるので、白ワインより合わせられる料理の幅が広がりやすいとされます。味の濃い和食、スパイスを使った料理、きのこや根菜の料理、発酵した食材などは試しやすい組み合わせです。最終的には好みなので、まず手元の料理と少しずつ合わせてみてください。

オレンジワインとナチュラルワインは同じものですか?

同じではありません。オレンジワインは果皮ごと発酵させるという造り方による分類で、ナチュラルワインは栽培や醸造での介入の少なさによる呼び方です。両方に当てはまるワインもありますが、オレンジワインだから必ずナチュラルワインというわけではないので、ラベルや商品説明で確認してください。

まとめ

  • オレンジワインは、白ブドウを果皮や種ごと発酵させて造るワイン。名前は色に由来し、果物のオレンジは使わない
  • 白ブドウ×赤ワインの造り方という位置づけで、ルーツの1つはユネスコ無形文化遺産にも登録されたジョージアのクヴェヴリ製法
  • 果皮や種ごと発酵させるため、白ワインにはない渋みやほろ苦さ、複雑な香りを感じやすい
  • 温度は冷やしすぎず、白と赤の間(12〜16度前後)が目安
  • 味の濃い料理とも合わせやすいが、組み合わせは好みで試す

白ワインとも赤ワインとも違う、第4の選択肢として楽しめるのがオレンジワインです。まずは軽やかなタイプの1本から、温度を少しずつ変えて味の変化を確かめてみてください。

ワインをもっと知りたくなったら:当方が運営する自社サービス「ワイン学習アプリ」では、品種・産地・料理との相性をスマホで少しずつ学べます(自社サービスのご案内です)。


参考

最終更新日:2026年9月14日


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