ワインのことをもう少し知りたい。けれど、本を開くと品種、産地、格付けと覚えることが多すぎて、何から手をつければいいのか分からない。この記事は、そんな初心者が独学で始めるときの順番をまとめたものです。

結論:ワインの勉強は「品種→国→ラベル」の順に、飲みながら覚えるのが近道です。

この順番には理由があります。日本のワインのラベルには、品種や原産国をどう書くかのルールがあり、それを知っていると、飲んだ1本から情報を拾えるようになるからです。

この記事について

筆者は国内外のデイリーワインを5年以上飲み比べてきた愛好家です。ソムリエ・ワインエキスパートなどの資格は持っていません。ラベルのルールと数字は、国税庁の「果実酒等の製法品質表示基準」と「酒のしおり」で確かめました(2026年10月13日に確認)。

この記事でわかること
  • 独学で覚える順番と、それぞれの段階で覚えること
  • 国税庁の表示ルールから分かる、ラベルの読み方
  • 飲み比べと記録のコツ、産地を地図で覚える方法

結論:ワインの勉強は4段階で進める

全体の流れを表にまとめました。上から順に進めれば、途中でやめても、そこまでに覚えたことは飲むときにそのまま役立ちます。

段階 覚えること 確かめ方
1. 品種 赤3つ・白2つの代表的なぶどう品種 ラベルの品種名を見て飲む
2. 国 よく飲むワインの原産国 輸入ワインのラベルの原産国名を見る
3. ラベル 品種名・収穫年・産地名の表示ルール 国税庁の表示基準と照らし合わせる
4. 産地 国の中の主な産地と、その場所 地図で位置と一緒に覚える

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ポイントは、本を読んで覚えるより先に、ラベルと味を結びつけることです。知識だけを先に詰め込むと、飲んだときに思い出せません。


1. 最初は品種を5つ覚える

最初に覚えるのは、ぶどうの品種です。赤3つ、白2つの5品種から始めてください。

色 品種 よく言われる特徴
赤 カベルネ・ソーヴィニヨン 色が濃く、渋みがしっかりしている
赤 メルロ 渋みがやわらかく、まろやか
赤 ピノ・ノワール 色が淡く、渋みが軽い
白 シャルドネ 造り方で、すっきりにもコクのある味にもなる
白 ソーヴィニヨン・ブラン 香りがさわやかで、酸味がはっきりしている

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特徴は一般によく言われる傾向で、産地や造り手によって変わります。表の言葉は「最初の目安」と考え、実際に飲んで自分の言葉で書き直していくと身につきます。赤ワインの品種ごとの違いは赤ワインの主なぶどう品種で詳しく紹介しています。

品種から始める理由:ラベルに書かれていることが多い

品種から始めるのは、ラベルで確かめやすいからです。日本で造られたワインの場合、国税庁の表示基準で、品種名を書いてよい条件が決まっています。

  • 1品種を85%以上使っているとき、その品種名を書ける
  • 2品種の合計で85%以上なら、使用量の多い順に2つの品種名を書ける
  • 3品種以上の合計で85%以上なら、それぞれの割合を併記し、多い順に書ける

つまり、日本で造られたワインでラベルに品種名が1つだけ書かれていれば、その品種が85%以上を占めていると読めます(輸入ワインは各国のルールによります)。

品種が書かれていないワインもある

ただし、フランスのボルドーやブルゴーニュのように、品種ではなく産地名を中心に表示するワインもあります。この場合は「ブルゴーニュの赤はピノ・ノワールが中心」のように、産地と品種をセットで覚えます。2つの産地の違いはボルドーとブルゴーニュの違いにまとめています。

※この章の表示ルールは 国税庁「果実酒等の製法品質表示基準」 より


2. 次に国:日本のワインの約3分の2は輸入品

品種の次は、国です。日本で飲まれているワインの多くは海外から来ています。

国税庁の「酒のしおり」によると、令和5年度に課税された果実酒・甘味果実酒は約32万キロリットルでした。そのうち輸入品は約21万キロリットルで、輸入割合は64.8%です。果実酒にはぶどう以外の果実酒も含まれますが、目安として「店に並ぶワインの多くは輸入品」と考えてよさそうです。

輸入ワインには、ラベルの一括表示欄に原産国名を表示する必要があります。どの国のワインかは、必ずラベルで確かめられるということです。

まずは自分がよく買うワインの原産国を、ラベルで確かめるところから始めてください。同じ品種でも国が違うと味が変わることに気づくと、国を覚える意味が実感できます。

※この章の数値は 国税庁「酒のしおり(令和7年7月)」国内製造品・輸入品別課税数量及び輸入割合の推移/果実酒等の製法品質表示基準 より


3. ラベルの読み方を覚える

品種と国が分かってきたら、ラベルの表示ルールをもう少し押さえます。特に覚えておきたいのは「日本ワイン」の表示です。

日本ワインとは、国内で収穫されたぶどうのみを使い、日本国内で造られた果実酒のことです。 国内で造られたワインでも、海外の濃縮果汁や輸入ワインを原料にしたものは日本ワインではありません。

ラベルの表示 書いてよい条件(国税庁の表示基準)
「日本ワイン」 国内で収穫されたぶどうのみを使い、国内で製造した果実酒(一括表示欄に表示が必要)
品種名 単一品種を85%以上使っている(2品種・3品種以上の書き方もある)。表ラベルに書けるのは日本ワインのみ
収穫年 日本ワインに限り、同じ年に収穫したぶどうを85%以上使っている
産地名 日本ワインに限り、その産地で収穫したぶどうを85%以上使っている など
原産国名 輸入ワインは一括表示欄に表示が必要

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また、国内製造ワインのうち濃縮果汁や輸入ワインを原材料に使ったものは、表ラベルにその旨を表示することになっています。「日本ワイン」の表示があるかどうかを見るだけでも、原料のぶどうがどこで採れたのかが分かります。ラベル全体の見方はワインラベルの見方にまとめています。

※この章の表示ルールは 国税庁「果実酒等の製法品質表示基準」 より


飲みながら覚えるコツ:2本の飲み比べと記録

知識を定着させるいちばんの方法は、飲み比べです。2本を並べて、品種か国のどちらか1つだけを変えると、違いがどこから来たのかが分かりやすくなります。

  • 品種を比べる:同じ国の、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロ
  • 国を比べる:同じ品種の、チリ産とフランス産
  • 色を比べる:赤ワインと白ワイン(違いの基本は赤ワインと白ワインの違い)

筆者も、税込780円のチリ産メルローと1,200円台のスペイン産テンプラニーリョを並べて飲み比べたことがあります。この組み合わせは品種と国の両方が違うので、慣れてきてから試す比べ方です。最初は1つだけ変えるほうが、違いの理由を考えやすくなります。

飲んだら、次の5項目だけでも記録しておきましょう。

  1. 日付
  2. 品種
  3. 原産国(分かれば産地)
  4. 価格
  5. 一言の感想(渋い、酸っぱい、香りが強い など)

記録が10本、20本とたまると、自分の好みの品種や国が見えてきます。

飲酒についてのお願い:飲酒は20歳になってから。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。お酒は適量を楽しみましょう。妊娠中・授乳中の方、車や自転車の運転前、服薬中の方の飲酒は避けてください。アルコールの影響には体質による個人差があります。体調や体質に不安がある場合は、無理をせず、必要に応じて医師等の専門家にご相談ください。

飲み比べは勉強のためでも、1日に開ける本数と飲む量は控えめにしてください。残ったワインは栓をして冷蔵庫に入れ、数日のうちに飲みきるのが目安です。


4. 産地は地図で覚える

国の中の産地まで覚えたくなったら、地図を使うのがおすすめです。産地の名前は文字だけで覚えるより、場所と結びつけたほうが思い出しやすくなります。

ワイン学の地図クイズの一覧画面。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、アルザス、ローヌ、ロワール、ボージョレなど、フランスの産地ごとのカードが並んでいる
筆者が運営する「ワイン学」の地図クイズの一覧画面(2026年10月13日に撮影した実画面)。産地を選ぶと、アペラシオンの位置を地図上で答えるクイズになる。

上の画面は、当ブログの運営者が作っている自社サービスワイン学(ソムリエ・ワインエキスパート試験対策アプリ)の地図クイズです。フランスの主な産地のほか、イタリアやスペインなどの地図もあります。

ワイン学は日本ソムリエ協会とは関係のない非公式の学習教材で、合格を保証するものではありません(自社サービスのご案内です)。

資格を目標にするなら

体系的に学びたくなったら、日本ソムリエ協会のワインエキスパートなどの資格を目標にする方法もあります(資格の種類と違いはワインの資格とは)。ただ、楽しむための勉強なら資格は必要ありません。受験資格・日程・費用は年度ごとに変わることがあるので、受けると決めたら協会の公式情報で確かめてください。


よくある質問

ワインの勉強は、まず何を覚えればいいですか?

最初はぶどうの品種を5つほど覚えるのがおすすめです。赤ならカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール、白ならシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランが代表的です。品種が分かると、ラベルを見たときに味の見当がつけやすくなり、そのあと国や産地の話にも進みやすくなります。

ラベルに品種が書かれていないワインはどう覚えればいいですか?

産地名を手がかりにします。フランスのボルドーやブルゴーニュのように、品種ではなく産地名を中心に表示するワインがあります。たとえばブルゴーニュの赤はピノ・ノワールが中心、と産地と品種をセットで覚えると、品種名がなくても味の見当がつけられます。

ワインの勉強に資格は必要ですか?

楽しむための勉強なら、資格は必要ありません。飲み比べと記録を続けるだけでも知識は増えていきます。体系的に学びたい、仕事に活かしたいと思ったら、日本ソムリエ協会のワインエキスパートなどの資格を目標にする方法もあります。受験資格や日程は必ず協会の公式情報で確かめてください。

飲み比べは何本から始めればいいですか?

2本から始めれば十分です。品種か国のどちらか1つだけを変えた2本を並べると、違いがどこから来たのかが分かりやすくなります。量は少しずつにして、残りは栓をして冷蔵庫で保存し、数日のうちに飲みきるようにしてください。

まとめ

  • ワインの勉強は品種→国→ラベル→産地の順に、飲みながら進める
  • 最初の品種は、赤3つ(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール)と白2つ(シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン)
  • 日本のラベルでは、単一品種85%以上で品種名を書ける。輸入ワインには原産国名の表示が必要
  • 令和5年度に課税された果実酒・甘味果実酒の輸入割合は64.8%。国を覚えると店の棚が読みやすくなる
  • 飲み比べは1つだけ変えた2本から。記録は5項目で十分

出典


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最終更新日:2026年10月13日